ああ~来週から授業だ。気が重い…
気の重さを厳密に解説すると、来週から始まる前期の授業は、昨年度と科目も内容も変わらずできるので、直前に見直せば何とかなるのでそんなに気も重くありません。
問題は後期からの授業です。
あと、半年ある。
でも、あと半年の間には、○○講座や本職の仕事や○○での発表や、家事、育児、介護色々ある。
だから、3月は、心を春休みにして、省エネルギー最低限の仕事をこなそう。
4月からスイッチオンして資料づくり、原稿づくり、授業の見直し、諸々の作業に取りかかろう。
心密かに計画していましたが、やる気スイッチを見つけるのが間に合いませんでした。。。
というわけで、今日、現実逃避で何気にPPTについてググっていたらこの言葉にたどりつきました。
パワポ死。そんな言葉があるんですね。
Death by PowerPoint。いまこの瞬間も、世界中の会議室やセミナールームで発生している恐るべき現象。
出典↓
「パワーポイントを使った授業は、手書き板書の授業より劣っている」論は、昔はよかった症候群?
10年ほど前に、よく話題になっていたような気がします。
こんなページがありました
いつの時代も、新しいツールが注目されるたびに急に古き良き時代を思い出す人っていますよね。
あえて便利な流れになびかず、不便さを選んでロハス風味をかもし出す人いますよね。
沙智子「機械に使われたらダメだと思うの。」
PCを個人が着々と持ち始めた頃言ってましたよ。PCメールなんてダメってね。「手紙は手書きじゃなくっちゃ。温度感が伝わらないじゃない。」
今はもちろん、沙智子の職場は1人1台PCが支給され、ランチの約束や雑談も社内チャットでしてるらしいですよ。
雄太「オレ、縛られたくないんだ。」
もう20年以上前ですよね、携帯電話を皆が持つようになってき頃、こんな変なことを言って携帯持つのを無駄に拒んでいました。「オンオフが切り替えられないやつって、仕事もできないと思うんだよ。職場を離れたら自分の時間を楽しみたいからね。」独身貴族気取って、退勤後一人で行きつけのワインバーとか行ってましたよ。
今はもちろん、浮気がばれて奥さんにスマホのパスワードを握られ、フェイスブックでホノボノ家庭生活を全世界の人々に拡散しちゃってるみたいですがね。
陽子「火で温めたスープは冷めなくておいしいわ。やっぱりお料理は、人の手が入っている分味が上がるものね。」ずーっと昔のことですよね、ガスで事足りるのに何で電子レンジを使うの?って女子力満載の彼女に言われました。「電磁波で不妊症になっても知らないわよ。よくそんな空間で生活しているわね。」
今はもちろん、シリコンスチーマーとか使いこなしちゃって、クックパッドに料理をアップするのが趣味のようです。
抵抗は無駄です。
宇宙戦艦ヤマトやガンダムの司令室で、大画面で戦況や戦略を共有し議論している姿を見てみんなかっこいい!と思ったでしょう?
技術者たちは、あそこを目指してここまで来ました。
ipadを持った時、ピカード艦長を思い出した人は、きっと少なくありません。
ウィンドウズ版パワーポイントが世に出たのが1990年。
科学者や技術者の情熱を、最新技術の粋を集めたツールは、ありがたく使わせてもらいましょうよ。
私は、パワポを多用した授業をしています。
パワポに罪はない。
しかし、パワポを使わずとも、ほとんどの先生が、目の前で学生がバッタバッタと落ちていく光景を見たことがあるのではないでしょうか。
また、自身が生徒・学生だった頃、誰もが居眠りを経験したのではないでしょうか。
そもそも眠気は、脳への刺激不足によって生じます。
単調なこと、心が動かない時は、人は眠気を覚えてしまうのです。
刺激不足の観点から、パワポというツールは、眠気(=パワポ死)を引き起こしやすいのは当然かもしれません。
- ワープロの整った文字は、手書きより読みやすく単調である。
- パワポ資料をハンドアウトとして配布される場合は板書をしない、手を動かさない。
私が大学生だった頃は、大昔に執筆されたご著書を淡々と朗読する講義、ありました。
刺激のない、単調で学生の能動性を欠片も求めない授業では、眠気をもよおすのが人間の性です。
こんなまとめ記事もありました
パワポ授業への立派すぎる批難は絶えないかもしれませんが、今どきの若い者は的で昔はよかったバイアスがかかりすぎてるんじゃないですか?
だって、私、字がとても汚いんです。私の板書の方が害になるような気がするんです。
(あ、でも、汚い字は一生懸命読まねば読めないので、眠くなりにくいのかな。)
パワポで視覚効果を与えながら授業すると、とてもテンポよくしゃべれるんです。ノッてくるんです。
パワポは、気をつければ板書のごとく、自分の授業を手伝ってくれる便利な道具だと私は思っています。
気をつければというところがポイントですが…
パワポ授業の工夫と気をつけるポイント
見やすいフォントと大きさ
こだわりのフォントとか全く必要ありません。
少しでもスライドに芸術性を求めれば、見にくい等、必ず文句が出ます。
ゴシック体系の文字で、中くらいの教室だったら40ptくらいで。私はこんな感じ☟
読み物ではないので、明朝体でダラダラ書くのはダメです。
パワポ死を招きます。読ませてはいけません。語るのが教員の仕事です。
色やラインは最低限にする
色をたくさん使うと、学生は何が重要かわかりません。
重要なワードを赤にする程度で、他の色はいりません。
あと、アンダーラインくらい。
色のコントラストをはっきりつける
ほとんどの大学では、スライドはスクリーンに映します。
大教室で後ろの方はモニターとかの場合もありますが、基本的に、スクリーンに写すことを想定した色づかいが大切です。
白いスクリーンに映し出した文字は、薄い色だと飛んじゃいます。
素敵なスライドを作ったからと力むあまりに教室を薄暗くしたり、暗幕をひいたりすると、パワポ死続出です。
オシャレな文字色とか必要ありません。くっきり黒で書きます。
ポインタは緑
今は、レーザーポインターをどこの大学でも貸してくれます。
でも、私は自分のものを持参します。慣れている方が使いやすいです。
赤いポインタの方が安いのですが、以前、赤いポインタを使っていたら文句が出ました。
どうも、広い教室になってくると、赤いポインタはずいぶん見づらいようです。
パソコンの前に張り付かない
パソコンの前に地蔵のように固まっている教員は刺激が足りません。
パワポに対応したポインタを使えば、大教室どこへ行ってもページをめくることができます。
何なら、学生の横に一緒に座って、意見を聞きながらページを前後することができます。
ちなみに、これ使ってます↓コクヨのポインタより軽い。
BluetoothでもワイヤレスでもOK。キーノートも使えるし(iOS対応)、専用のアプリでiPadでのプレゼンもできるから、会議でも使えてめっちゃ便利です!
授業では、ポインタと教科書を持って、教室の中を動き回っています。
パワポにすべてを詰め込まない
パワポを読ませてはいけません。
今、何が重要で、先生が何の話をしていて、何をノートに取るべきか。
そういうことが直感的にわかるようなスライドにします。
パワポの工夫番外編
ある一定レベル以上の大学生の方が見ると驚愕されるかもしれませんが、事実です。
ちょっとさびしい工夫 その① 資料を時々穴埋めにする
私は、パワポで作った配布資料の大事なところは穴あきにしている授業があります。
これは最初、抵抗がありました。
クイズじゃないし。大学生だし。
ただ試しにやってみたら、パワポ死を防ぐのには結構効果的でした。
ちょっとさびしい工夫 その② イラストやアニメーションを多用する
これもパワポ死を防ぐさびしい工夫です。
画像やイラスト、アニメーションを挿入する場合(の大学)もあります。
ある先生(同大学の)の資料が教卓に残っていたので、チラと拝見すると、パワポで作成された配布資料に人気のセクシー歌手が歌っている様子や画像がありました。
マーケティングの授業でしたが、どの先生もいろいろなご苦労をされているのだな…としんみりしてしまいました。
うん。がんばって資料作ろう。
今度は、パワポなしで授業やってみようかな。
でも、先日、K大学で板書に関する怖い話を先輩講師の先生から聞いてしまいました。
その話は、また今度。