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【ブックレビュー】大学の先生初心者は必見!大学生が読んでも面白い。『大学教員のための授業方法とデザイン 』(玉川大学出版部)

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大学教員のための授業方法とデザイン (高等教育シリーズ)

現在、大阪大学全学教育推進機構の准教授でいらっしゃる佐藤浩章先生が、愛媛大学で中心となって進められていたFD活動の集大成的な書籍です。

内容は、玉川大学出版部のHPによると下記の通りです

教育は教員の教授活動と学生の学習活動から構成されている。この両者の成果が相高まって、初めてよい教育が生まれる。本書では、大学教員に求められる知識と技術を提供。授業で学習内容をどのように構成・配置するか、どのように教えるのかを説明。すぐに使える資料や授業実践例を掲載。大学教員向け研修の教科書として最適。

最初、手に取ってみて、驚いたのは、本当に平易に読みやすく書かれている、ということです。
「学者は、その他の人より賢そう」というイメージありますが、学者先生も人の子。
専門分野についての造詣はハゲシク深くても、その内容を授業に落とし込むために、どの先生方もご苦労されているのではないでしょうか。


先生方も、自分のご専門についての論文、書籍は少々重たくても楽しく読めるのでしょうが、この手の話題で重たいものは眠くなっちゃい読破するのが難しいのではないでしょうか。
(少なくとも私は、読破できない派なので…)

なので、ティップス先生も出てくるわけなのですが。

「イラスト付きのスライドがいい」
「漫画で説明してほしい」

偏差値が52くらい(ということは、平均的だということですよね…たぶん)の大学の講義で、学生に授業のアンケートを取ったところそんな意見が出てきて、最初はびっくりしたもんです。

確かに文字を読まなくなって、想像力が乏しくなっているのが今どきの学生かもしれません。
ポケモンと生まれ育った世代にとって、カラフルで刺激的な視覚情報は親しみやすさを感じるでしょう。

これを聞くと「今どきの学生は」と言いたくなる人も多いかもしれませんが、アトラクティブな授業のデザイン方法、って時代と世代で変化しちゃうのかもしれないとも思ったり。
でも、想像力は大事だよ。(特に私の専門分野)
私、学生の頃は、先生の話を聞きながらイラストや図や表を描いたもんです。
それ、めっちゃ力になってます。

さて、話がそれましたが、
本書籍は内容もさることながら、大きな文字、すっきりしたレイアウト、デザイン感がほんとにちょうど良くて読みやすい。
(※漫画・イラストは載ってません)

学生には考えさせることも大切ですが、手軽に読むには、デザイン感大事!敷居が低い!

しかも、後半に用意してある“資料編”では、具体的な授業事例やアイスブレーキングの教材、そのままコピーして使えるワークシートや評価シートが紹介されています。

そのまま使っちゃうのは手抜きのような罪悪感を覚えるかもしれませんが、具体的にどのような工夫が有用であるかのイメージをつかむには十分です。

はじめて、大学で先生をされる方には、至れり尽くせり感満載のありがたい一冊です。
若い時に読みたかった!

大学教員のための授業方法とデザイン (高等教育シリーズ)

《目次》

第1章 シラバスの書き方
第2章 さまざまな授業方法
第3章 講義を「もっと」よくする工夫
第4章 学生の成績評価
第5章 授業の振り返り
第6章 スタディ・スキルとは何か?
第7章 スタディ・スキルの授業デザイン
資料編 (1)アイス・ブレイク
    (2)情報収集・整理法と発想法
    (3)文章での表現技法
    (4)口頭での表現技法
    (5)グループワークの技法
    (6)その他 

大学教員のための授業方法とデザイン (高等教育シリーズ)

大学教員のための授業方法とデザイン (高等教育シリーズ)

 

 

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